こんにちは、ぽにこです。
先月の話ですが、子の中学の生徒会費が廃止されました。
ちょっとっ!
— ぽにこ🏕 (@ponikox) 2022年7月21日
息子がコロナで学校行けてなかったから、まとめて手紙やらプリントやら届いたんだけど(ありがとう)、その中にあった手紙。
\\\||||/// ⁰★☆ 生徒会費廃止 ☆★⁰///||||\\\
今年から急遽。マジうける。来週には情報公開請求の資料届くんだけど。あからさま〜
生徒会費は学校徴収金の調査の中で調査対象にしていたのですが、驚きです。
中学入学と同時に学校徴収金として自動的に全生徒から徴収する会費をどう使うのか、その生徒会とはどんな活動をするのか、非常に関心がありウォッチしていくつもり満々だったので「あれれ??(´-ω-`)?」って感じです。
今回は生徒会についての話です。
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生徒会とは?(文科省資料編)
生徒会は、学習指導要領で定められた特別活動の1つで、学校行事や学級活動と同じ位置付けの教育活動です。
指導要領によると特別活動は、
望ましい集団活動を通して,心身の調和のとれた発達と個性の伸長を図り,集団や社会の一員としてよりよい生活や人間関係を築こうとする自主的,実践的な態度を育てるとともに,人間としての生き方についての自覚を深め,自己を生かす能力を養う。
ことを目標としています。
その中で「生徒会活動」は、
生徒会活動を通して,望ましい人間関係を形成し,集団や社会の一員としてよりよい学校生活づくりに参画し,協力して諸問題を解決しようとする自主的,実践的な態度を育てる。
を目標とし、
その内容は、
学校の全生徒をもって組織する生徒会において,学校生活の充実と向上を図る活動を行うこと。
(1)生徒会の計画や運営
(2)異年齢集団による交流
(3)生徒の諸活動についての連絡調整
(4)学校行事への協力
(5)ボランティア活動などの社会参加
とされています。
また、
〔学級活動〕及び〔生徒会活動〕の指導については,指導内容の特質に応じて,教師の適切な指導の下に,生徒の自発的,自治的な活動が効果的に展開されるようにするとともに,内容相互の関連を図るよう工夫すること。また,よりよい生活を築くために集団としての意見をまとめるなどの話合い活動や自分たちできまりをつくって守る活動,人間関係を形成する力を養う活動などを充実するよう工夫すること。
に配慮せよ、と特記されています。
つまり、特別活動は学校教育の一環であり、その体験を通して人間関係の構築、各教科との関連付けを図り理解を深めつつ、生徒会活動を通じて、学校生活に参画する自治的な活動を体験する、そんな感じだと理解しました。
より詳しく解説している資料もあります。↓
これら資料に書いてあることが丁寧に実践されれば、生徒会活動は意義のある教育活動だと思います。
生徒会とは?(学校資料編)
子どもは生徒会活動は「国会の学校版」と教わったそうです。
学校より配布されている資料によると、
「生徒会組織」とは、○中生全員が生徒会員となり、自分たちの中学校生活を自分たちの手でよりよく、充実したものにしていく活動を支える組織のこと。
としています。
また、生徒会の目的は、
生徒の責任ある行動によって、自主的精神の向上を図り、学校生活を充実し、将来良き公民となる資質を養う目的とする。
とされ、中学校生活をより良いものにするために自治的な活動を大事にしていきたいとしています。
※公民・・国政や地方公共団体の公務に参加する権利と義務を持つ者。市民。
※自治・・自分のこと、あるいは自分たちのことを自身で処理し治めること。
生徒会は、生徒会本部と評議員、各専門委員、各部活動等で組織されているようです。
部活動って生徒会に属する建てつけなんだね〜
でも部活自体は教育活動外なんだってね。よくわかんないね〜
これ以外には各委員会の説明のみで、具体的な活動実績や予算・決算報告の類はなく、決算報告を取り寄せました。
生徒会費の使い道
子の中学の生徒会費は、生徒ひとりあたり1,200円(年)です。
全生徒が会員になるということで、総額にすると80万円ほどになります。
今回取り寄せた決算資料は前年度のものです。
生徒会費としての80万円のほか、前年度繰越し金、PTA会費からの補助もあり、総額100万円ほどです。
その内訳は、
- 純粋な委員会活動費・・3%
- 学校行事への支出・・8%
- 新入生・卒業生へのお祝い品、記念品・・40%
- 各部活動への補助・・21%
- クーラーや扇風機などの備品代・・28%
というものでした。
ツッコミどころ多すぎ問題発生です。
純粋な生徒会活動だけならわずか3%
純粋な、生徒会を運営するために必要だろうと思われる費用は、全体のわずか3%でした。生徒ひとりあたりの会費に換算すると36円です。
生徒会を運営するための費用にしても、本来生徒会活動は学校行事と同じ位置付けの教育活動です。
具体的な用途は主に絵の具などの文房具、作業を行うための消耗品代で、それすら生徒会費を保護者から強制的に徴収するのに妥当なのか、かなり微妙だと思います。
学校の教育活動である上に、個人に還元されるものでもありません。
以下、わたしの住む自治体の学校徴収金取り扱い要綱に記載のある「学校徴収金の定義」です。
学校徴収金とは、修学旅行費、校外学習費、部活動費、教材費、学年費、卒業対策費、生徒会費等、学校の教育活動上必要となる経費のうち、受益者負担の原則から学校が保護者から徴収した上で管理、執行することにより、児童生徒および保護者にとって利便性のある経費をいう。
ここのところ、学校に関することがらを調べてきていますが、
本来公費負担すべきものについて、保護者負担への安易な転嫁
を感じています。
これはあくまで私の想像の範疇を超えませんが、学校徴収金要綱やマニュアルに記載されている項目なら、その内容そのものを精査することなく、半自動的に「生徒会費は学校徴収金に例示されているから保護者負担でOK!」と思っていそうです・・。
修学旅行の発表報告(模造紙)やしおりは公費で作って、生徒会や行事のポスターは私費で作る。生徒会の議案書は公費。この違いは?
学校行事にかかる費用を生徒会費から出す??
学校行事のうち、体育祭、文化祭、送別会に8%の支出がありました。
その内容は、文房具・布代・衣装代などの材料費でした。
おそらく何かしらの出し物にかかる費用だと思います。
相変わらず基準があいまいです。
お祝いや記念費が40%を占める生徒会費
入学式卒業式のコサージュや送別会の花代、入学記念に学校備品購入、卒業生への記念品・・・。それらに40万使ってます。
個人に還元されるっちゃ還元されるのかもしれませんが、生徒会の活動なんでしょうか、これ。
記念品、好きだね〜
学校備品の購入が生徒会費から??
前の入学記念の学校備品購入もそうですが、それ以外に生徒会本部費からなぜか
- スポットライト代
- スポットクーラー代
- 扇風機
が購入されています。
これが生徒会費全体の28%、本部費の中では97%を占めます。
つまり、本部費は本来3%もかかっていないの。
純粋な本部費の運営費は生徒ひとりあたりに換算しても15円程度。
だけど、このスポットクーラー等を買うのに、生徒ひとりあたり300円以上のお金を使っています。27万円くらい。
・・実際欲しいものなんでしょう。
エアコンの設置されていない体育館で使用しているのを見たことがあります。
でもこれは学校備品に類するものなんじゃないでしょうか。
「寄附」という扱いでもない(この分の寄附採納手続きは行われていない)。
生徒会費から支出される妥当な理由とは・・・?
それこそ、生徒会で決議して学校側に設置を交渉するというのが本来の活動なのでは??
親のカネで解決か?!
部活動・・
生徒会に部活動が所属するというのが、一応の建てつけのようです。
生徒会費から部活動への支出は生徒会費の21%で、配当は部によりまちまちですが、平均すると1つの部あたり12,000円ほど出ています。
用途の詳細を見ると、完全に個人所有物になるだろうTシャツとか、消耗品など、「???」と思う部分がいくつかあります。
学校から配布されている資料や生徒会の規約には、その用途に関する具体的な取り決めは見当たりません。規約上は細則があるように読めますが、その細則の記載も配布もありません。
もはや部活動に関することならなんでもOKということでしょうか。
ちなみに子の中学は、生徒全員が部活動に入っているのではありません。
生徒会費が廃止になった!
ところが先日、学校からのお手紙で「生徒会費廃止のお知らせ」が届きました。
わたしが調査していることがキッカケになったかどうかは分かりませんが、すでに引き落としが済んでいるものについて、廃止が決定され後日の学校徴収金と相殺して調整までするのは、あまりなさそうなことのような気もしています。
ことの顛末はこんな感じです。
- 5月・・調査開始
- 6月・・生徒会費引き落とし、情報公開延長決定
- 7月・・生徒会費廃止決定、情報公開請求資料到着
- 8月・・学校徴収金から生徒会費を引いた金額を引き落とし(予定)
お手紙上の名目は、「保護者負担の軽減」です。
公教育の私費負担について、今まであまりに見直しがされてきていなかったことが想定され、それから考えると一歩踏み出してくれたのは、前進です。
(まさか廃止にまでなるとは思っていなかったけど)
しかしこれで、生徒会費から行事・部活動への支出がなくなるわけです。
行事への支出について、本来公費で支出すべきものであったという判断なんでしょうかね?また、部活動への支出も、広く全員から集めた費用から支出することについての見直しされたということでしょうか。
いずれにしても、その費用の徴収・支出の妥当性が見直しされたことについては、良い傾向であると思っています。
おわりに
せっかく生徒会ウォッチを始めたのに、生徒会費が廃止になってしまいました。
廃止の決定のお知らせが来るまで、その使い道については運営費の中のさらに一部、各運営委員会の活動費(全体の2%分)だけ、生徒総会で議決されていました。
それ以外の98%の使い道は不明のままでしたので、それがどのように決められ、どのタイミングで知らされるのか、しっかりチェックしていこうと思っていたのに、その流れが確認できなかったのは少し残念です。(1年くらい黙っておけばよかったか?)
わたしは生徒会費を集めること自体は悪いことだと思っていません。
運営には少なからず費用はかかることですが、それらが教育活動であるならば公費で負担するのが妥当だと考えています。
だけど、もし本当に生徒たちが自治的活動を学ぶために活動するもので、通常の公費で支出する範囲を超えてしまうなどで、生徒会の総意をもって学校や保護者に要望し、費用負担を求めるなら意義があるとすら思っています。
ところが子の中学の生徒会は、「自治的活動を学ぶため」というより、決められた枠組みの中で小さな主体性の振り分けをチマチマやっているだけに過ぎないような気がします。
学校の目論見は生徒管理なんだろうなと思います。
自主的活動の体裁をとった、大人の手足となって動く練習という印象です。
「自分たちで決めたこと」という呪いをかける感じでもあり。
中学の生徒会の「主体的に動く」というのは、「指示されなくても動く」ということであり、そこに生徒の考えや思いの反映は、ほぼない。
中学の生徒会活動は、生徒の自主的な活動の裏に、大人の「こうすべき」が強く反映されています。
中学に入って、いきなり”自治“って言われても困っちゃいそうですけどね。
中学校生活の「課題」を見つけて「自ら考え動く」っていうのは、大人の想定する範囲を超えることはできなさそうな気配です。
*
そういえば、この前の全校集会で「校則の靴下の色」について、生徒会より変更の報告がありました。今回たまたまオンラインで全校集会を見ることができたため、知ることができました。内容は、
- 今までは白地にワンポイントまで、長さはくるぶしがしっかり隠れるもの
だったものが、
- 黒・紺の靴下も可とする。ただし、集会等の行事では今まで通り白とする。
だそうです。
ちなみに息子はこのような議案があることすら知らなかったようです。
*
ということで、生徒会費は廃止になってしまいましたが、生徒会自体がなくなったわけではないので、引き続きウォッチをしていきたいと思いますが、ほぼほぼ活動が保護者に知らされないので、これ以上は難しいかもしれません・・。
しかし・・・
100万円、保護者から集める必要、なかったんだね〜。
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ではでは。
ぽにこ